【戯言】今宵、あの樹の下で。
なんかちょっと怪しい雰囲気になっちゃったのですよ
なので読みたい人だけどうぞなのです
続きはMOREから
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緩く漂う春の風が、一片の花弁を部屋の中に連れてきた。
「もうそんな時期……」
呟いた独り言が、失いかけた時間の感覚を引き戻す。
一部を除き、常に過ごし易い気候のこの島だけれど。
何故か春は巡って来て。
また、あの花を連れてくる。
確か今日は、満月。
一人の部屋で、日が暮れるのを待って。
少しずつ昇り始めた月を認めてから、部屋を出る。
手には、酒。古びたカタナ。
向かうは丘の上、あの桜の木の下へ。
いつも遠目に見ているだけの樹は、去年と変わらずそこに在った。
満開にはまだ少し早い枝が、たくさんの花と蕾をつけている。
「……今年も、来たよ」
樹の根元の土に、カタナを突き刺す。
囁いた言葉は、早くも舞い始めた花弁と共に、ふわりと落ちた。
刃の表面を指先でなぞる。
古いとは言え、定期的に研いでいる鋭い刃で、切れた指先から、血の滴が伝わって。
土に、吸い込まれる。
その瞬間。
それを待ち望んでいたかのように、全ての蕾が一斉に花開いた。
「今年も、待ってたんだ。貴方は」
私の事を。
貴方の胸に刃を突き刺し、冷たい土の中に埋めたのは、他ならぬ私なのに。
樹の根に抱き込まれてまで、なお。
「……貴方の牙は、こんな所に居ても私の血を求めているのね……」
見上げた枝が、歓喜に震えたような、気がした。
「でも」
まだ早い。
「まだ貴方に、全てをあげる訳には行かないわ」
私にはやるべき事があるのだから。
「……それが終わったら、ゆっくり話しましょう……?」
勿論、いつものカタナと酒を持参して。
満開の、桜の樹の下で。
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ごめんなさい><;
書き始めはこんなはずでは……w
埋まってる牙持ちさんとカタナ持ってるお姉さんにモデルは居ません。居ませんってば。
なので読みたい人だけどうぞなのです
続きはMOREから
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緩く漂う春の風が、一片の花弁を部屋の中に連れてきた。
「もうそんな時期……」
呟いた独り言が、失いかけた時間の感覚を引き戻す。
一部を除き、常に過ごし易い気候のこの島だけれど。
何故か春は巡って来て。
また、あの花を連れてくる。
確か今日は、満月。
一人の部屋で、日が暮れるのを待って。
少しずつ昇り始めた月を認めてから、部屋を出る。
手には、酒。古びたカタナ。
向かうは丘の上、あの桜の木の下へ。
いつも遠目に見ているだけの樹は、去年と変わらずそこに在った。
満開にはまだ少し早い枝が、たくさんの花と蕾をつけている。
「……今年も、来たよ」
樹の根元の土に、カタナを突き刺す。
囁いた言葉は、早くも舞い始めた花弁と共に、ふわりと落ちた。
刃の表面を指先でなぞる。
古いとは言え、定期的に研いでいる鋭い刃で、切れた指先から、血の滴が伝わって。
土に、吸い込まれる。
その瞬間。
それを待ち望んでいたかのように、全ての蕾が一斉に花開いた。
「今年も、待ってたんだ。貴方は」
私の事を。
貴方の胸に刃を突き刺し、冷たい土の中に埋めたのは、他ならぬ私なのに。
樹の根に抱き込まれてまで、なお。
「……貴方の牙は、こんな所に居ても私の血を求めているのね……」
見上げた枝が、歓喜に震えたような、気がした。
「でも」
まだ早い。
「まだ貴方に、全てをあげる訳には行かないわ」
私にはやるべき事があるのだから。
「……それが終わったら、ゆっくり話しましょう……?」
勿論、いつものカタナと酒を持参して。
満開の、桜の樹の下で。
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ごめんなさい><;
書き始めはこんなはずでは……w
埋まってる牙持ちさんとカタナ持ってるお姉さんにモデルは居ません。居ませんってば。
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